渋谷ではたらくゲームプロデューサーのブログ

渋谷で働くゲームプロデューサーのブログです

「コトに向かう」人は自然と長時間労働になるよね。生きるために働いてる人にはわからないと思うけど。

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以前のブログで生産性を高めるために

投資する資源に制限をかけろという話をしておいて、

今度は長時間労働を奨励するようなブログを書くのか!とツッコまれそうですが

以前のブログの主張と矛盾しているとは思っていません。

 

以前のブログとは関わりはあるものの、

別軸での主張を記載したいと思います。

※ちなみに以前のブログはこちら

 

gameproducer.hatenablog.com

以前のブログを要約すると

生産性=成果/投資した(する)資源量(大体は金or時間)と定義し、

結論、成果を落とすことなく強制的に投資する資源量を落とし

生産性を上げよう、としました。

 

そうすることによって限られた資源の中で

どのように以前と同じ成果を出すのか?という考えが生まれ、

投資資源削減への工夫やイノベーションに繋がるとしています。

 

人は怠惰な生き物なので「そうせざるを得ない」状態に

追い込まれない限り、基本的には行動を起こしません。

 

そのようにして生産性を高めたその後の話が今回の主張です。

低生産性の上に起こる長時間労働を奨励しているわけではありません。

 

だいぶ前の話になりますが

DeNA会長の南場さんが書いた「コトに向かう力」が

多くの人の反響を呼びました。

 

 

※南場さん講演は31分頃から


www.ustream.tv

 

多様性のある組織は確かに強い、

しかしそれをマネージすることも難しいという主張の後。。。

※長いですが、個人的に好きな話なので長文引用します笑

ただ、確かに多様な人材をまとめていくのはものすごく大変で難しいことだなと思っていまして、特に国籍とか男女差とか、あるいはエスニック・グループよりも、うんとマネージメント層にとって大変なのはモチベーションの源泉の違いですね。

モチベーションを何から得ているのかがまったく異なっている人たちをまとめていくのはすごく難しい。難易度が高いことだなと感じました。

 

もちろんコンサルタントをずっとやっていますと、あとビジネススクールにも行きましたので、そういうことを教えてくれるわけなんですけども、そこでいろいろなティップス、Dos & Don'tsを習います。そのコンサルタントを14年もやっているわけですから、本当に何か聞いたら、立て板に水のように、「そういう場合はこうして、こうして、こうして」と言えるようになってるわけですよね。マネージメントの要諦みたいなものです。

ただ私はマッキンゼーで10年間、それからビジネススクールの2年間、あわせて12年間で学んだことよりも、本当に本件に関して、12年よりも多くのことを学んだ一瞬があったんです。その一瞬を今日みんなにお見せしたいと思いまして持ってきました。それがこの写真なんです。

 

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これが私たちが、DeNAを立ち上げて初めてのサービスが生まれた瞬間なんです。「なんだ、みんな日本人の男じゃないか、しかも全員20代」と思われるかもしれないですが、この4人はおよそどの4人を集めてもそうなんですが、モチベーションの源がまったく違うんです。

一番右の子。赤い服の人は匿名希望の「渡辺雅之」っていうんですけど、この人は褒められたいんですね。そして彼の目標は歴史に彼の名前のついてチャプターを残すということなんですね。すごいドラマチックな人です。

 

真ん中がいまの我が社の社長の守安ですね。彼はすっかり、いま変わっちゃったんですけど、あのときはまだ若くて、髪の毛もずいぶんあって、彼はこのときは「お金」って言ってました。「自分はお金持ちになりたいんだ」と。

いまは全然変わっちゃったんですよ。もっともっと違うことが彼のモチベーションの源泉なんですけど、当時はとても若くて、「自分は10億円貯めたいんだ」と言ってました。それで何したいの?って聞いたら、「うーん、馬主」って言ってました(笑)

 

その隣の人はユーザーが大好き。コミュニティが大好き。そしてユーザーを愛してる。とにかくユーザーのために尽くしたい。それやってる時間が好き。それからユーザーに「ありがとう」と言われると嬉しい。他の人じゃだめ。社長もだめ。同僚とかも全然関係ない。ユーザーやコミュニティが大好き。

その隣にいるのが、歯しか見えてないですけど、いい男なんです。彼は技術ですね。「彼の技術が役に立った」という瞬間に最大の喜びを感じるんですね。この4人の違いというのは、およそどの4人を取ってもそうなんですが、これだけモチベーションが普通は違うんですが、これが例えば全員が性別も違って男女がミックスされていて、そして国籍もバラバラで、エスニック・グループもバラバラというグループ。それとまったく関係なく、モチベーションの源泉が違うということが一番マネージメントを難しくするんですね。

 

どんなに国籍が違っても男女が違って、エスニックが違っても、モチベーションの源泉が一緒だと、本当にマネージメントは難易度がやさしい。この写真にあるように、みんながすごく嬉しそうな顔をしているんです、純粋に。このときに誰が一番貢献したかとか、このアイデアは誰に帰属するかとか、そういったことはまったくなく、全員が本当に純粋に、全員で、チームで、このサービスを世の中に産むんだということで、気持ちが高揚している瞬間なんですね。とても純粋だし、私はとても美しいと思いました。

この写真を撮ったのは私ではなくて、私の仲間の乙部っていう女性なんですが、私自身も(カメラの)こっち側で同じような顔をしていたはずです。写真を撮っている乙部も同じ顔をしていました。みんなとっても嬉しいときです。チームの目標が達成されたときの高揚感ですね。私はこれを見た瞬間に12年間、いろいろな座学とかコンサルタントとか、ビジネススクールで学んだDos & Don'tsを忘れよう、と。DeNAという会社を何かチームで共通の目的を達成したときの高揚感。この喜びで牽引していこうと決めた瞬間なんです。

これでまとめていくんだ、と。これがある限り、この会社はきっと大丈夫だと感じました。それから私はとにかく、ジェンダーだ、国籍だなんだと言わず、とにかくまったく違うメンバーでも人間である限り、自分がオーナーシップをもって取り組んだ仕事、そして掲げた目標。それを達成したときは、本当に純粋に高いレベルの喜びを感じ、純粋な高揚感を持つものだと。これでずっとやっていこう。これがたくさんある人生にしたいし、会社にしたいな。そんなふうに感じました。

それは簡単じゃないですよ、すごい単純なこと言ってるようですけど、実際、この喜びや高揚感で組織をまとめていくっていうのは、例えばチームの組成の仕方とか、役割分担の与え方。誰ひとり、自分が影に隠れていると感じてはダメなんですね。全員が球体の表面積であり、オーナーであると感じなければいけない。オーナーシップを持って、そして十分にエキサイトするに足る、十分に高い目標がなければいけなくて。チームの組成や目標設定の仕方、それから一人ひとりの責任の持ち方、オーナーシップの持ち方など工夫がいるんですが、これだけ腐心して、会社をマネージしていこうと、私にとってはカチッと入った瞬間でした。

 

これが企業のトップであるとか、リーダーから見た目線だと思います。ただ企業のトップとかリーダーではない人間から見ても、この瞬間が多い人生というのは、すごく、何て言うんでしょうか、輝いていて、彩り豊かでいいな、と感じます。どうやったらこうなるのか。やっぱり「人や自分に向かわずに、コトに向かう」。それが今日の1つのメッセージなんです。

そうですね、ちょっと抽象的な言い方だったかもしれないですが、誰についていくとか、誰に評価されるとか、あるいは自分ができる、できない、もう少し成長していかないといけないのではないか。そういうことに意識を向けるんではなくて、純粋はチームの目標や自分の目標に向かって、それに本当に集中してみると、すごく充実した人生が送れるんじゃないかと思います。

ここにいる人がどういう人なのか、まったくわからなくて、一人ひとりの顔もよく見えません。ただ、おそらく、何か仕事を一生懸命にやっていらっしゃる方々じゃないのかなと。そういう前提で話をしています。仕事で輝く人生、それはプライベートなワークライフバランスを捨てろと言っているのではなくて、そういったバランスを取りつつも充実したキャリアを歩むためには、私は「コトに向かう姿勢」が大事じゃないかなと。人とか自分じゃなくて。そんなふうに感じているし、コトに集中できるチームに呼ばれる人材であれたらいいなと思います。

 

(中略)

 

あまり誰についていくとか、アイデアの帰属とか、あるいは評価だとか、ポジションとか、マネージメントとか。そういったことをすっかり忘れて仕事に打ち込むと、本当に良い結果がついてくるなと感じました。今日は女性の方も多いと思います。

 

50歳を過ぎると、ちょっとしか過ぎてないんですけど(笑) なんていうんですかね、大方の人が年下になっていきます。私がとても若いときに、女性のキャリアウーマンが会社にやってきて、アドバイスをしてくれました。そのアドバイスはいまでもすごく心に残っているんですけど、それはまったく重要ではないんですが(笑) 1つは「自分の部下の男性の出世に努めろ」。もう1つは「過剰な倫理観を持ち込むな」と、この2つでした。

私はこの2つについて、おっしゃった人も忘れていると思うんですが、それほど同意しません。自分にとって大事なメッセージだとは思っていませんが、しかしながら20代前半で言われたことはいまでも覚えているんですね。だから意外と口にすることっていうのは、責任が伴うなと感じています。そんな私が今日、みなさんに言うとしたら、とにかく「コトに向かってくれ」ということじゃないかと思います。

人とか、それから自分に向いすぎずに、仕事に向かう。コトに向かう。コトを成すことに精一杯取り組む。そうするといろいろなものがついてくるのかな、と感じたりします。私は今日はすごいアウェイ感で、なんていうんでしょうか、自分が時代遅れなのかなと感じていますが、でもおそらくこのメッセージはきっと、みなさんが苦しいときとか、認められてないと思うときとか、あるいは力が出ていないときに思い出してくれたら、役に立つんじゃないかなと。そんなふうに感じます。ありがとうございます。

 

コトに向かう。コトを成すために精一杯取り組む。

そのマインドを持っていれば、

「プロダクトのココを〜したい」

「〜してユーザーに喜んでもらいたい」とかが

自然と湧き上がっていきます。

それは、どんなに時間/人/金を投資してもやりきれないくらいに。

 

これが成果に向きあう。コトに向きあう。だと自分は思います。

 

なのでいくら生産性が高い人であっても、コトに向き合っていれば

自ずと長時間労働になる可能性が高い。

 

同じ長時間労働でも

「生産性の低い組織・人が仕事に忙殺され、長時間働く」と

「生産性の高い組織・人がコトに向かい、長時間働く」では

達成できる成果レベルに大きな違いが生じます。

 

重要なのは個人・チームの生産性を高めた上で

「コトに向かう」姿勢だと思います。

それが他者や他社を圧倒する競争力に繋がると自分は信じています。